■ピタゴラス数とエジプト三角形(その14)
エジプト人はピタゴラスより何世紀も前から(3,4,5)の辺の三角形を建築の道具として使い、きちんと直角になるようにしていた。
(3,4,5)は最も小さい(もっとも原始的な)ピタゴラス数で、辺の長さが(3,4,5)の直角三角形はエジプト三角形と呼ばれる。
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ピタゴラスから2世紀後にユークリッドはピタゴラス数のパラメータ解
a=m^2-n^2,b=2mn,c=m^2+n^2
を導き出した。(m,n)=(7,4)なら、33^2+56^2=65^2
この公式によって新たなピタゴラス数を無限に見つけ出すことができる。
(m,n)=(2,1)の場合がエジプト三角形、3^2+4^2=5^2である。
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各辺の長さが整数の場合、フィボナッチ数列に一つおきに現れる数(5,13,34,89,233,610,・・・)が斜辺の長さに現れる
(Fn)^2+(Fn+1)^2=F2n+1
1^2+2^2=5
2^2+3^2=13
3^2+5^2=34
5^2+8^2=89
8^3+13^2=233
13^2+21^2=610
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[1]F12=144=12^2は唯一の自明でないフィボナッチ平方数である(ユンゲレン,1951年).
[2]F6=8=2^3は唯一の自明でないフィボナッチ立方数である(ロンドン,フィンケルシュタイン,1969年).
[3]フィボナッチ累乗数は0,1,8,144だけである(ブジョー,ミニョット,シクセク,2008年).
したがって、F2n+1は平方数にはならない。斜辺を除く2辺が連続するフィボナッチ数のピタゴラス三角形は存在しないことになる。
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