■ピタゴラス数とフィボナッチ三角形(その4)

【3】フィボナッチの問題

 ピタゴラス方程式:x^2+y^2=z^2に無数の自然数解があることがわかりましたが,それでは,連立2次のディオファントス方程式:

  x^2+y^2=z^2

  x^2−y^2=w^2

の自明でない自然数解を考えてみましょう(フィボナッチの問題).ただし,y=0なる解は必ずあるわけですから,どのx,y,z,wも0でないものとします.

 実は,そのような答えをもたないことがフェルマーによって証明されていて,それがフィボナッチ・フェルマーの定理です.フィボナッチは西暦1200年頃,解は存在しないことを予想していたのですが,400年後にフェルマー得意の無限降下法によって証明が与えられました.

 この定理を応用すると,

「3辺の長さが自然数であるような直角三角形と同じ面積をもつ,辺の長さが自然数の正方形は存在しない(x^2+y^2=z^2,xy=2t^2)」

「x^4−y^4=z^2の自然数解はない」

「x^4+y^4=z^4の自然数解はない(n=4の場合のフェルマー予想)」

などが証明できます.

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