■球面鏡と放物面鏡(その14)

 円柱を斜めに切ると切り口は楕円になる.円錐曲線の学び初めに,円錐を斜めに切ると切り口は楕円になることを学んだが,切り口は少しずつ先すぼまりになって卵形になるのではと思われた方は少なくないのではなかろうか?

 切断に用いた平面と円錐の両方に接する頂点側と底面側の2つの球(ダンデリンの球)を考えると,球は楕円の2つの焦点と接することから,切り口は楕円になることを証明することができるのであるが,それを直観するのは難しい.そこで,・・・

====================================

 円錐面をx^2+y^2=R^2zとしてもよいのであるが,母線の傾きを考えて

  x^2+y^2=R^2z^2

とすると,母線はz=±y/Rとなる.

 平面(z=ay+b)の傾きが母線よりと小さい場合(a<1/R),

  x^2+y^2/(1+a^2)=R^2(ay/√(1+a^2)+b)^2

 したがって,

x^2+(1−a^2R^2)/(1+a^2){y−abR√(1+a^2)/(1−a^2R^2)}^2=b^2R^2/(1+a^2)

x^2/α^2+(y−γ)^2/β^2=1

α=bR/√(1−a^2R^2),β=bR√(1+a^2)/(1−a^2R^2),γ=aRβ

となって,切り口は楕円である.卵形ではなかった.

====================================