■ワイソフ計量以前の問題(その7)
n次元正軸体:gk=(n,k+1)2^(k+1)
n次元正単体:gk=(n+1,k+1)
に対して,ワイソフ算術を使えば,最大ファセット数のn次元準正多胞体は[1,1,・・・,1],[1,0,・・,0,1]など,最小ファセット数のn次元準正多胞体は[0,・・・,0,1]であることがわかる.
また,最大頂点数のn次元準正多胞体は[1,1,・・・,1],最小頂点数のn次元準正多胞体は[1,0,・・・,0]であることがわかる.辺数は
f1=m/2・f0
であるから,最大辺数のn次元準正多胞体は[1,1,・・・,1],最小辺数のn次元準正多胞体は[1,0,・・・,0]であることがわかる.
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【1】単純多面体
m=nの場合が「単純多面体」である.2(2^n−1)胞体と3^n−1胞体は単純多面体である.ワイソフ算術によると1が連続するものが単純多面体になるが,先頭に0が連続するもの,末尾1桁が0のもの,それらの組み合わせも単純多面体になる.
[1]3次元の場合
形状ベクトル[0,0,1]:m=3(正四面体系ではm=3)
形状ベクトル[1,1,0]:m=3(正四面体系ではm=3)
形状ベクトル[0,1,1]:m=3(正四面体系ではm=3)
形状ベクトル[1,1,1]:m=3(正四面体系ではm=3)
[2]4次元の場合
形状ベクトル(0,0,0,1):m=4(正5胞体系ではm=4)
形状ベクトル(0,1,1,0):m=4(正5胞体系ではm=4)
形状ベクトル(0,0,1,1):m=4(正5胞体系ではm=4)
形状ベクトル(1,1,1,0):m=4(正5胞体系ではm=4)
形状ベクトル(0,1,1,1):m=4(正5胞体系ではm=4)
形状ベクトル(1,1,1,1):m=4(正5胞体系ではm=4)
[3]5次元の場合
形状ベクトル(0,0,0,0,1):m=5(5)
形状ベクトル(0,0,1,1,0):m=5(5)
形状ベクトル(0,0,0,1,1):m=5(5)
形状ベクトル(0,1,1,1,0):m=5(5)
形状ベクトル(0,0,1,1,1):m=5(5)
形状ベクトル(1,1,1,1,0):m=5(5)
形状ベクトル(0,1,1,1,1):m=5(5)
形状ベクトル(1,1,1,1,1):m=5(5)
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【2】複雑多面体
ここでは単純多面体(シンプル)の逆の「複雑多面体」を考える.正単体(シンプレックス)や超立方体は単純多面体である.正軸体は単純多面体ではないが,複雑多面体(コンプレックス)でもない.
[1]3次元の場合
形状ベクトル[0,1,0]:m=4(正四面体系ではm=4)
[2]4次元の場合
形状ベクトル(0,1,0,0):m=8(正5胞体系ではm=6)*
[3]5次元の場合
形状ベクトル(0,0,1,0,0):m=12(9)*
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複雑多面体の形状ベクトルは,
[a]nが奇数のとき(n=2k+1)
[0,・・,0,1,0,・・,0]
[b]nが偶数のとき(n=2k)
[0,・・,0,1,0,0,・・,0]
で,後者は正軸体の基本単体の頂点Pn/2-1(超立方体の基本単体の頂点Pn/2)を通る超平面で切領した図形,前者は正軸体の基本単体の頂点P(n-1)/2(超立方体の基本単体の頂点P(n-1)/2+1)を通る超平面で切領した図形.
次数を求めてみると
[a]nが奇数のとき(n=2k+1)
m=2k(k+1)=(n^2−1)/2 (正軸体系)
m=k(k+1)+(k+1)=(n+1)^2/4 (正単体系)
[b]nが偶数のとき(n=2k)
m=2k^2=n^2/2 (正軸体系)
m=k^2+k=n(n+1)/4 (正単体系)
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【3】空間充填2^n+2n胞体
空間充填2^n+2n胞体は
3次元の場合,形状ベクトル[1,1,0]:m=3
4次元の場合,形状ベクトル(0,1,0,0):m=8
5次元の場合,形状ベクトル(0,1,1,0,0):m=6
で,その形状ベクトルは
[a]nが奇数のとき(n=2k+1)
[0,・・,0,1,1,0,0,・・,0]
[b]nが偶数のとき(n=2k)
[0,・・,0,1,0,0,・・,0]
になる.
後者は正軸体の基本単体の頂点Pn/2-1(超立方体の基本単体の頂点Pn/2)を通る超平面で切領した図形,前者は正軸体の基本単体の頂点P(n-1)/2とP(n+1)/2の間(超立方体の基本単体の頂点P(n-1)/2+1とP(n+1)/2+1の間)を通る超平面で切領した図形.
2(2^n−1)胞体と3^n−1胞体は単純多面体であるが,空間充填2^n+2n胞体は単純多面体の逆の「複雑多面体」になっているだろうか?→偶数次元の空間充填2^n+2n胞体は複雑多面体であるが,奇数次元では一般に複雑多面体にはならない.
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