■ルート系(その22)

 ここで,基本行列

    [0,c1 ,0,・・・・・・・・・,0]

    [c1 ,0,c2 ,0,・・・・・・,0]

  C=[0,c2 ,0,c3 ,0,・・・・,0]

    [・・・・・・・・・・・・・・・・・・]

    [0・・・・・・・・・・・,0,cn-1 ]

    [0,・・・・・・・・・0,cn-1 ,0]

を作り,固有方程式

  Pn(λ)=det|λI−C|=0

からその固有ベクトル(1次変換によって同じ方向に写るベクトル)と固有値λ(その拡大率)を求めるのですが,これを解くとCの固有ベクトルが基本単体の超平面に関する反転列R1・・・Rnによって不変なベクトルとなります.(頂点okに対する超平面Πkに関する反転を便宜上番号をずらせてRk+1としています.)

 また,三重対角行列となることから,漸化式

  Pn+1(λ)=λPn(λ)−cn^2Pn-1(λ)

  P1(λ)=λ,P2(λ)=λ^2−c1^2

を得ることができます.

 空間充填形の固有値についてはλ=±1となるのですが,正多面体については|λ|<1で

  λ=cosξ,ξはπと有理比

と書くことができます.その際,最大固有値が重要なのですが,最大固有値をとるξ(の最小値)はペトリー数hを用いてπ/hで表されます.

  λmax=cos(π/h)

 ペトリー数とは,反転が何回でもとに戻るかという鏡像変換に関係した基本量で,基本単体の数をgとすると,3次元正多面体では

  g/h=(h+2)=24/(10−p−q)

4次元正多胞体の場合は

  g/h=64/(12−p−2q−r+4/p+q/4)

で表されます.

 基本単体の超平面に関する反転列R1・・・Rnによって全周の1/hだけ回転するのですが,nが奇数ならばこれに反転が加わり,nが偶数ならば本来の回転となります.そして(R1・・・Rn)^(h/2)は中心に対する反転となるのです.

 なお,正n角形にはn本の対称軸がありますが,正多面体の対称面の個数は?n次元の正多胞体に対称超平面は合計何枚あるのか?という問題の答は,nを次元数,hをペトリー数として

  m=nh/2

枚で与えられます.正多角形の対称軸の数m=2n/2において,分子の2は平面の次元数と解釈できます.また,3次元正多面体の対称面はm=3h/2個ですが,3は次元数です.

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