■高次元図形の研究法(その23)

[3]シュレーフリ記号

 3次元正多胞体はシュレーフリ記号{p,q}・・・各頂点にp角形がq面集まる多面体,4次元正多胞体はシュレーフリ記号{p,q,r}・・・各頂点にp角形がq面集まる多面体が各辺にr個集まる・・・で表記される.

 シュレーフリは(n−1)次元の正多面体が(n−2)個の整数列

  (p1,p2,・・・,pn-2)

で表されるとき,それを超平面要素にもち,3次元低い各構成要素上にpn-1個ずつ超平面が会するようなn次元正多面体を

  (p1,p2,・・・,pn-2,pn-1)

で表した.

 すなわち,シュレーフリ記号

  (p1,p2,・・・,pn-1)

はpn-3のまわりにn−1次元胞体(p1,p2,・・・,pn-2)がpn-1個すつ会するという意味である.

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[4]シュレーフリ記号+ワイソフ記号

 正単体のシュレーフリ記号は{3,3,・・・,3,3}

 正軸体のシュレーフリ記号は{3,3,・・・,3,4}

 立方体のシュレーフリ記号は{4,3,・・・,3,3}

で表され,その後にワイソフ記号が添加される.

  {3,3,・・・,3,3}(m0,m1,・・・,mn-1)

 正単体は{3,3,・・・,3,3}(1,0,・・・,0)

     {3,3,・・・,3,3}(0,0,・・・,1)

 正軸体・立方体は

     {3,3,・・・,3,4}(1,0,・・・,0)(正軸体)

     {3,3,・・・,3,4}(0,0,・・・,1)(立方体)

となる.

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[5]ワイソフ構成はn次元ベクトル

  m=(m0,m1,・・・,mn-1)

  miは0または1で,同時に0であってはならない

として表記することができるから,2^n−1種類ある.

 ワイソフ構成を決めると,n次元準正多胞体がひとつ定まるから,非自己双対の場合,切頂型・切頂切稜型準正多胞体は

  2^n−1

種類あるが,自己双対の場合は

  2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−1

種類ある.

 しかし,3次元と4次元では重複する場合がある.

  {3,3}(0,1,0)≡{3,4}(1,0,0)

  {3,3}(1,0,1)≡{3,4}(0,1,0)

  {3,3}(1,1,1)≡{3,4}(1,1,0)

  {3,3,4}(0,1,0,0)≡{3,4,3}(1,0,0,0)

  {3,3,4}(1,0,1,0)≡{3,4,3}(0,1,0,0)

  {3,3,4}(1,1,1,0)≡{3,4,3}(1,1,0,0)

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[6]正単体系切頂型は2(n+1)胞体,正軸体系切頂型は2^n+2n胞体,切頂切稜型はこれ以外であるが,切頂型にアルキメデス角柱を添加して得られる図形である.

次元  正単体切頂型   正単体切頂切稜型

3      2        2

4      3        5

5      4       14

6      5       29

n    n−1   2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−n−1

次元  正軸体切頂型   正軸体切頂切稜型

3      3        2

4      5        8

5      7       22

6      9       52

n   2n−3    2^n−2n

では重複するもの,正多胞体になるものを除いていないので注意.

 3次元正単体切頂型は正八面体,4次元正軸体切頂型は正24胞体を含んでいる.

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