■高次元図形の研究法(その20)
2005年のコラム「高次元の準正多胞体」の記述には誤りも多く、また、ワイソフ構成についての理解の足りないところが見受けられる。訂正してみたい。
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五次元以上のn次元の場合は,2n個の頂点と2^n個の胞をもつ双対立方体(三次元では正八面体),2^n個の頂点と2n個の胞をもつ立方体,n+1個の頂点とn+1個の胞をもつ正単体(三次元では正四面体)の3つですべての正多面体をつくしている.
境界胞体 頂点 双対性 対応
(n+1)胞 n胞体 n+1 自己双対 正4面体・5胞体
2n胞体 (2n−2)胞体 2^n 2^n胞体 立方体・8胞体
2^n胞体 n胞体 2n 2n胞体 正8面体・16胞体
5次元以上のn次元空間には正五角形や正十二面体に相当する5回対称性をもった正多胞体は存在しない.逆にいうと,三次元の場合はこれらの他に2つの正多面体<正十二面体と正二十面体>があり,四次元の場合は他に3つ<24胞体,120胞体,600胞体>あるといったほうがわかりやすいかもしれない.
これまでの話から,一般に
(1)n次元立方体は(2n−3)段階を経て双対立方体に変化すること
(2)n次元正単体には(n−1)段階の準正多胞体があること
が理解されるであろう.・・・切頂型に限るとという意味
5次元準正多胞体では,3次元側胞の中心に頂点を置くもの(00010)は双対正多胞体の稜の中点に頂点を置くもの(01000)と一致するから,(狭義の)準正多胞体は稜の中点に頂点を置くもの(01000),側面の中心に頂点を置くもの(00100)だけを数えると2+3=5種類,6次元準正多面体では,3次元側胞の中心に頂点を置くもの(000100)は双対正多胞体の面の中心に頂点を置くもの(001000)と一致し,4次元側胞の中心に頂点を置くもの(000010)は双対正多胞体の稜の中点に頂点を置くもの(010000)と一致するから,(狭義の)準正多胞体は2+4=6種類あることになる.
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