■病理形態学原論と・・・(その12)

また,この道具を応用することによって高次元の空間分割(BCC,FCC,HCP結晶の高次元版)を構成することが可能となった.たとえば,6次元結晶のfベクトルは

[1]ミンコフスキー結晶:(f0,f1,f2,f3,f4,f5)=(5040,15120,16800,8400,1806,126)

[2]体心立方格子型結晶:(f0,f1,f2,f3,f4,f5)=(160,1440,2880,2160,636,76)

[3]面心立方格子型結晶:(f0,f1,f2,f3,f4,f5)=(76,576,1200,1120,1120,480,60)

[4]六方最密充填型結晶:(f0,f1,f2,f3,f4,f5)=(126,434,630,490,210,42)

と計算される.

 高次元はとっつきにくい代物である.直観は働かないし,実験対象にもならない.そのため,人類が4次元以上の空間を考えるようになってからまだ日は浅い.しかしながら,高次元の空間分割(とくに8次元,24次元)は通信理論への応用を介してすでに現代生活を担保する重要なものになっている.多面体のDNA解析が新たな実生活への応用に結びついてくれることを期待して,拙稿を閉じることにする.

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