■表現論の視点から

昨日、グラフ理論の学会で、表現論を応用した

[1]n次元多胞体のfベクトルの計算

[2]n次元多胞体のantipodal distanceの計算

について講演した。

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[1]Coxeter-Dynkin diagramは多胞体の設計図と考えられるものであるが、実際にDNAとの対比を行って、新たな解釈( DNA解釈)を与えた。

それによって、fベクトルの計算法のcomplete solutionを提示した。それは主要項と補正項の2項よりなり、行列表現で与えられる。

gベクトル、hベクトルの使用は考えたかという質問が出たが、fベクトルのことはfベクトルに任せるべきであろう。

(私の認識ではgベクトル、hベクトルは巡回多面体に関する上限定理では役立ったが、それ以上のものではないだろうと思っている)

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[2]Wythoff構成によって、多胞体の辺をn色で塗分けることができる。このことからとantipodal distanceの上限を与えることができた。

上限と正確なantipodal distanceの間には何か代数的な関係が存在することが想定されるのである、表現論ではその方法が思い至らなかった。

やむなくコンピュータを使うことになったが、全ルート探索のcomputational complexityを避けるために、頂点・辺・頂点の隣接関係を利用しては正確なantipodal distanceを算出することができた。

その方法はKnuthの著書The art of computer programmingの冒頭の問題として紹介されているものであって、正多胞体・準正多胞体以外の対称性に乏しい多細胞体にも応用できる。その際、正多胞体・準正多胞体での結果は一般の多胞体のantipodal distanceの上限・下限を与えてくれるものと思われた。

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