■レムニスケートの幾何学(その126)
∫(0,z)1/(1-x^3)^(1/2)dx
のような楕円積分は既に昔から深く研究されています.例えば,第1種楕円積分の標準形(ヤコビの形)
F(k,φ)=∫(0,φ)dθ/(1-k^2sin^2θ)^(1/2)
を使うと
∫(0,z)1/(1-x^3)^(1/2)dx=1/4√3F(k,φ)
φ=arccos((√3−1+x)/(√3+1−x))
k=(√3+1)/2√2
と表されます.
一松,数学公式T,p148,岩波
ただし,このままでは母数
k=(√3+1)/2√2
が1に近くて扱いが不便かもしれません.むしろ,ワイエルシュトラスの標準形
∫(∞,0)du/(4u^2-g2u-g3)^(1/2)
の特別な場合として扱ったほうが容易かもしれません.
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再度,
I=∫(c,1)dx/(1−x^3)^1/2
を考える.
変換
x=1+√3(y−1)/(y+1)
により,x=cに対するyの値を
y1=(c−1+√3)/(−c+1+√3)
とおくと
I=1/4√3∫(y1,1)2dy/((1−y^2)(2−√3+(2+√3)y^2)^1/2
ここで,y^2=1−z^2,z1^2=1−y1^2とおくと第1種楕円積分
I=1/4√3∫(0,z1)dz/((1−z^2)(1−k^2z^2)^1/2=1/4√3F(k,φ1)
となる.ただし,
k=(√2+√6)/4,sinφ1=z1
ちなみに,
∫(c,1)dx/(1−x^4)^1/2=1/√2F(k,φ1)
k=1/√2
φ1=arccos(c)
レムニスケートの全長は4a/√2K(1/√2)
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