■レムニスケートの幾何学(その31)

 レムニスケートサインを分数の形にして,分母と分子に分けてかつ漸化式表示すると,おおきなベネフィットが得られることがわかった.

 私はsl(nu)が有理関数になるとは思っていなかったが,有理関数であれば,sl(nu)=0であろうがsl(nu)=1であるが,計算の難易度には差がないことになる.

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 同様に,レムニスケートコサインも商の形に表示して

  sl(u)=M(u)/N(u),cl(u)=m(u)/n(u)

とおくと,

  M(2u)=2M(u)N(u)m(u)n(u)

  N(2u)=M(u)^4+N(u)^4

となる.

 すなわち,

[1]レムニスケートサインの倍角公式の分子は,レムニスケートサインの分子・分母,レムニスケートコサインの分子・分母の積の2倍に等しい.

[2]レムニスケートサインの倍角公式の分母は,分子^4+分母^4に等しい.

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[雑感]

 sl(nu)のnを偶数と奇数にわけた所までは良かった。結局、slを再帰的に定義したことで、Mathematicaが「正直」に計算してくれた。

 ガウスが一般のnについて、言及しているので、Mathematicaの計算結果を変形して方程式を導出する事に疑問を抱いた。

 たぶん、何らかの漸化式を導出するのでは、と思った。そう思いながら、インターネットで検索したら、あのpdf

http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/ellfunc.pdf

を見つけた。  (阪本ひろむ)

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