■正三角形の初等幾何学(その53)
【Q】正三角形を直線によって面積を2等分するとき,その包絡線はどのような曲線を描くか?
(A)包絡線の求め方を説明しよう.曲線:y=f(x,θ)において,パラメータθが動くとき,θとθ+Δθに対応する2本の隣り合った曲線を考えると,その交点はΔθ→0の極限で包絡線上の点となる.
xを固定するとき,この交点のy座標はパラメータθが変わっても変化しないことで特徴づけられるから,
∂y/∂θ=0 → θ=g(x)
を求め,元の方程式に代入すると包絡線の方程式
y=f(x,g(x))
が得られる.
△ABCにおいて,A(0,√3),B(−1,0),C(1,0)とする.
点Pがx軸上を点Bから原点に向かって進むとき,点Pは
(t,0) −1≦t≦0
とパラメトライズされる.
このとき,正3角形の面積の2等分線のもう一方の端点Q(x0,y0)は辺AC上にあり,
y0=−√3x0+√3
また,直線PQの方程式を
y=m(x−t),m=y0/(x0−t)
とする.面積の2等分線であることより
(1−t)y0=√3
以上より,この直線の方程式は
y=m(x−t),m=√3/(t^2−2t)
となる.
∂y/∂t=0 → t^2−2xt+2x=0
t=x−(x^2−2x)^1/2
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もとの式を
(t^2−2t)y−√3(x−t)=0
の形にして,tで偏微分した式
2(t−1)y+√3=0
と連立してtを消去して,xとyだけの関係式に整理すると,
3−4y^2=√3(4xy−4y+2√3)
これは双曲線を表す.
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