■正三角形の初等幾何学(その40)

(その39)ではうまくいかなかっやが,

 2e=16,b=65,f=63

→a=57,b=65,c=71

とすると,

 D^1/2=3bf=3・65・63=12285

 d=112

となって,1辺の長さ112の正三角形が3つの整数三角形(57,65,112),(57,73,112),(65,73,112)に分解されたことになる.

 ここで,b=65について考えてみたい.

  65^2=63^2+16^2=56^2+33^2

65は2つのピラゴラス三角形の斜辺となる.すなわち,2つの平方数の和として2通りに表される.

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 フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式

(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2

(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2

は簡単に確認できます.

 この公式は2つの整数がともに平方数の和の形をしているなら,その2数の積も平方数で表されることを示していて,複素数と2平方和問題との関連を示しています.

 また,この積は2通りの異なる方法で,2つの平方数の和として表すことができることを示しています.

 たとえば,

  50=5・10

  5=1^2+2^2,10=1^2+3^2

より,

  50=(1・1+2・3)^2+(1・3−2・1)^2=7^2+1^2

  50=(1・1−2・3)^2+(1・3+2・1)^2=5^2+5^2

  65=5・13

  5=1^2+2^2,13=2^2+3^2

  65=(1・2+2・3)^2+(1・3−2・2)^2=8^2+1^2

  65=(1・2−2・3)^2+(1・3+2・2)^2=4^2+7^2

となります.

  a=bまたはc=dのときは,積はたった1通りの方法で2つの平方数の和になります.

  10=2・5

  2=1^2+1^2,5=1^2+2^2

  10=(1・1+1・2)^2+(1・2−1・1)^2=3^2+1^2

  10=(1・1−1・2)^2+(1・2+1・1)^2=1^2+3^2

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