■正三角形の初等幾何学(その16)

 三角形の内接円の半径は

  1/2・2(d+e+f)・r=S

であるから,

  r=(def/(d+e+f))^1/2

 (その15)では,ブラーマグプタの公式では四角形が円に内接するときを考えたが,ここでは四角形が内接円をもつときを考えてみよう.四角形の内接円の半径は

  r={(efg+fgh+ghe+heg)/(e+f+g+h)}^1/2

となる.

  S=1/2・2(e+f+g+h)・r

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 五角形が内接円をもつ場合は,

  S=1/2・2(f+g+h+i+j)・r

は成り立つが,

  r={(fgh+ghi+hij+ijf+jfg)/(f+g+h+i+j)}^1/2

は成り立たない.

  [参]小寺裕「関孝和・算聖の数学思潮」現代数学社

によると

  (f+g+h+i+j)r4−Ar^2+(fghij)=0

Aは(fgh+ghi+hij+ijf+jfg)ではなく,5個から3個をとったすべての組み合わせの10項となる.

 三角形の場合は3個から2個とったすべての組み合わせは1項であり,

  r=(def/(d+e+f))^1/2

四角形の場合は4個から3個をとったすべての組み合わせは4項であり,

  r={(efg+fgh+ghe+heg)/(e+f+g+h)}^1/2

になる.

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