■正三角形の初等幾何学(その9)
(その8)を補足したい.
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1辺の長さが1の正n角形に外接する円がある.このとき,円の半径Rは,
R=1/(2sin(π/n))
で与えられる.ここで,sin(π/n)に対してn倍角の公式を適用すると,rは代数方程式の解として得ることができる.
たとえば,nが偶数の場合,代数方程式は
[1]n=8
2R^4−4R^2+1=0
[2]n=10
5R2−5R+1=0
となる.
これらの係数が
[5]8円環
2R1^2−4R1R3+R3^2=0
[7]10円環
5R1^2−5R1R3+R3^2=0
にも現れるというわけである.
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[1]4円環
1/r1+1/r3=1/r2+1/r4
→(r1+r3)r2r4=(r2+r4)r1r3
[2]8円環
1/r1+1/r5=1/r3+1/r7
→(r1+r5)r3r7=(r3+r7)r1r5
[3]12円環
1/r1+1/r7=1/r4+1/r10
→(r1+r7)r4r10=(r4+r10)r1r7
すなわち,
[1]相対する円の半径の逆数の和が,それと十字に交わる相対する円の半径の逆数の和に等しい.
[2]相対する円の半径の積に,それと十字に交わる円の半径の和をかけた式が等しい.
というものです.「十字円定理」とでも呼ぶことにしましょう.
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