■交角60°(その9)

[補]固有値の幾何学的意味

  |2 1 1| |2 1 0|

  |1 2 1|=|1 2 1|=4

  |1 1 2| |0 1 2|

 

  |2 1 ・・ 1| |2 1 ・・ 0|

  |1 2 ・・ 1| |1 2 ・・ 0|

  |1 1 ・・・1|=|0 1 ・・ 0|=1+n

  |1 1 ・・ 1| |0 0 ・・ 1|

  |1 1 ・・ 2| |0 0 ・・ 2|

 

 固有多項式の根と係数の関係より,トレース(対角線の項の和)=固有値の総和が成り立つ.トレースは全固有値の和であり,行列式は全固有値の積ある.

 ところで,固有値は幾何学的に何に対応しているのであろうか? →単位キューブを線型写像で変換したときの各辺の長さと思えばよい.なぜなら,写像:y=Axによって,単位直方体は平行2n面体に写像されるものとすると,この写像のヤコビアンはJ=|A|となる.

 

 また,グラミアン

  G=|A|^2

が成立する.したがって,平行2n面体のn次元体積は

  |G|^(1/2)=|A|

で与えられる.すなわち,行列式=体積=固有値の積であって,行列式はn本のベクトルで張られる平行2n面体の体積となることが分かる.

 

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