■ディオファントス・モーデル・マチアセビッチ(その66)
フェルマー曲線x^n+y^n=1は、nが奇数の場合、y=−xを漸近線とする長くゆるやかに曲がった弓形曲線、nが偶数の場合、テレビのブラウン管のような押しつぶされた円形になり、nが大きくなるにつれて正方形に近づいていきます。フェルマーの問題を解くことは、2変数n次多項式f(x,y)=x^n+y^n−1=0に、有理数解があるかどうかを考える問題に対応します。
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1985年,フライが,もし,a^n+b^n=c^nを満たす解があるとすると,楕円曲線
y^2=x(x−a^n)(x+b^n)
が得られる.しかし,これは極めて異様なことと考えられた.
彼の楕円曲線は話がうますぎて、信じられない性質をもっていることに気づいたのである。
例えば、多項式
(x−a^n)(x+b^n)=x^2-x(a^n-b^n)-a^nb^n
の根の存在を決定する判別式
Δ=(a^n-b^n)^2+4a^nb^n
Δ^1/2=a^n+b^n=c^n
は完全なn乗式なのである。
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1986年,リベットはフライの状況証拠説を証明,
フライ曲線がモジュラー関数によってパラメライズされえない、すなわち,谷山・志村予想が正しければフェルマー予想も正しい
ことを意味する.いまやこの問題は谷山・志村予想を証明するだけという状況になった。
そして、1986年,ワイルズが谷山・志村予想を証明,したがって,フェルマー予想も正しい.
a^p+b^p=c^pを満たすような楕円曲線:
y^2=x(x+a^p)(x−b^p)
が保型関数によってパラメトライズできないことの証明がフェルマーの最終定理の証明に繋がるのですが,楕円曲線の有理点の有無ではなく,楕円曲線そのものが存在しないことを示すのです.
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