■三角形の初等幾何学(その35)

 モーリーの三角形の1辺の長さは,

  8R・sinα/3・sinβ/3・sinγ/3

で与えられますが,これはα,β,γに関して対称であるから,モーリーの定理が示されたことになる.

この証明には,対称性の高い(美しい)

  abc=4R△

やヘロンの公式が使われるに違いないと思っていたのであるが,正弦定理や余弦定理の組み合わせて証明できたことになる.

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【補1】余弦定理

  RQ^2=AQ^2+AR^2−2AQ・ARcosα/3

したがって,

  RQ^2=64R^2sin^2γ/3・sin^2β/3{sin^2((π+γ)/3)+sin^2((π+β)/3)−2sin((π+γ)/3)sin((π+β)/3)cosα/3}

【補2】三倍角の公式

  sin3θ=−4sin^3θ+3sinθ

=sinθ(3−4sin^2θ)

=sinθ(−sin^2θ+3cos^2θ))

=sinθ(√3cosθ+sinθ)(√3cosθ+sinθ))

=−4sinθ・sin(θ+π/3)・sin(θ−π/3)

 したがって,

  AR=2Rsinγ・sinβ/3/sin((α+β)/3)

=2Rsinγ・sinβ/3/sin((π−γ)/3)

=8Rsinγ/3・sinβ/3・sin((π+γ)/3)

【補3】

{sin^2((π+γ)/3)+sin^2((π+β)/3)−2sin((π+γ)/3)sin((π+β)/3)cosα/3}=sin^2α/3

の左辺にて,

  C=(π+γ)/3

  B=(π+β)/3

  A/3=(π−β−γ)/3=π−B−C

とおくと,左辺Xは,

  X=sin^2B+sin^2C+2sinB・sinC・cos(B+C)

=sin^2Bcos^2C+cos^2Bsin^2C+2sinB・sinC・cosB・cosC=sin^2(B+C)

 一方,右辺は

 sin^2α/3=sin^2(B+C)

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