■三角形の初等幾何学(その30)

【1】ナポレオンの定理

 数学が得意だったフランス皇帝ナポレオンが若い頃に発見したと伝えられている定理が,ナポレオンの定理「任意の三角形の各辺の外側に正三角形を作ったとき,それらの重心を結ぶと正三角形が得られる」です.

 三角形の各辺の内側に正三角形を作ったときも,それらの重心を結ぶと正三角形が得られます.これらの2つの正三角形の重心は一致し,その面積の差は最初の三角形の面積に等しくなります.

 ナポレオン点は,頂点と外正三角形の中心を結ぶ直線の共点として得られます.一方,第2ナポレオン点は頂点と内正三角形の中心を結ぶ直線の共点として得られます.フェルマー点・ナポレオン点・外心は同一直線上にあり,フェルマー点・第2ナポレオン点・フォイエルバッハの9点円の中心は同一直線上にあります.

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【2】オーベルの定理

 「任意の四角形の各辺の外側に正方形を作ったとき,向かい合う正方形の重心を結ぶ2本の線分の長さは等しく直交する」

 四角形の各辺の内側に正方形を作ったときも,向かい合う正方形の重心を結ぶと長さが等しく直交する2本の短い線分が得られます.2本の短い線分と2本の長い線分は互いの中点で交わる.

 このような中点は2点あるが,これらの中点を結んだ線分の中点は最初の四角形の頂点の重心(a+b+c+d)/4と一致する.

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