■三角形の初等幾何学(その5)

一方,四角形については,プトレマイオス(トレミー)の定理「円に内接する四角形の対角線の積は,対辺の積の和に等しい」があります.

  AC・BD=AB・CD+BC・DA

 この定理において,もし四角形が長方形ならば

  AC^2=AB^2+BC^2

となり,ピタゴラスの定理に帰着します.また,4点が同一円周上にないとき,不等式

  AC・BD<AB・CD+BC・DA

が成り立ちます.

 なお,円に内接する四角形では

  Δ^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)

内接円と外接円の両方をもつ四角形(双心四角形)では,

  2r^2(R^2+d^2)=(R^2−d^2)^2    (フースの定理)

が成り立ちます.フースは双心五角形,六角形,七角形,八角形に関する同様の公式も見つけています.

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