■多角数とペル方程式(その57)
ペル方程式から離れて、ここではディオファントス方程式
243b-256a=1
を満たす最小の整数解(a,b)を探してみよう。243と256は互いに素(243,256)=1であることを注意しておきたい。
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243/256より少し小さい分数を探し出せば(a,b)=(56,59)を得ることができるかもしれないが、
256a=-1 (mod243)
を考えてみたい。
一般に ax=c (mod m)は(a,m)|cのとき、かつ、そのときに限り解をもつ。
(a,m)=1に対しては、解はmを法として一意である。また、
ax=c (mod m)
の解はax=my+cの整数解と一致する。
3y=4x-1であれば、整数点(-2,-3),(1,1,),(4,5)を通過するから、別の解は(4,5)-(1,1)=(3,4)の倍数を外挿すればよい。
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【1】ガウスの方法
(a,m)=1に対して
x=c/a (mod m)
と書くことにすると、c/aがあたかも分数で、cとaにmの倍数を加減できることが示される。たとえば、
27x=1 (mod100)の場合、
x=1/27=-99/27=-11/3=-111/3=-37=63 (mod100)
27・63=1701=1 (mod 100)
256a=-1 (mod243)
x=-1/256=-244/256=-61/64=-304/64=-19/4=-262/4=-131/2=102/2=56 (mod100)
56・256=14336=-1 (mod 243)
14337/243=59
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