■レイリー・ヴィノグラードフの定理(その24)

 レイリーの定理とは「α,βを1/α+1/β=1を満たす無理数,[]をガウス記号とするとき,2つの数列{an}={[nα]},{bn}={[nβ]}は共通項がなく,併せるとすべての整数1,2,3,・・・を与える.」というものです.

 α≦βとすると,仮定からαは区間(1,2)にあることがわかりますが,たとえば,

  α=(1+√5)/2,β=(3+√5)/2=α+1=α^2のとき,an,bnの値は

n  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10・・・

an 1  3 4 6 8 9 11 12 14 16・・・

bn 2 5 7 10 13 15 18 20 23 26・・・

 2つの数列は共通項がなく,併せるとすべての整数1,2,3,・・・を与えるという意味がおわかり頂けると思います.

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 Wが正の無理数ならば、2つの数列

{an}=[n/w]

{bn}=[n/(1-w)]

をあわせるとあらゆる正の整数値をちょうど1回とる。

なぜなら、整数kが数列{an}の項であるならば

n/w-1<k=[n/w]<n/w

n-w<kw<nがあるnに対して得られる。

一方、整数kが数列{bn}の項であるならば

n<kw<n+1−w

があるnに対して得られる。これらは完全に相補的であるから、いずれか一方の項であることになる。

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