■レイリー・ヴィノグラードフの定理(その4)
レイリーの定理(ヴィノグラードフの定理)とは「α,βを1/α+1/β=1を満たす無理数,[]をガウス記号とするとき,2つの数列{an}={[nα]},{bn}={[nβ]}は共通項がなく,併せるとすべての整数1,2,3,・・・を与える.」というものです.
フィボナッチ数列では,Fn-1/Fnは近似的に1/τに,Fn-2/Fnは1/τ^2に近づいていきます.そこで,ビーティ数列
ak=[nτ]=1,3,4,6,8,9,11,・・・
bk=[nτ^2]=2,5,7,12,13,15,18,・・・
これらはどんな整数に対しても重複も除外もされないのですが,まずはその証明から.
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【1】証明
w<1,am=[m/w],bm=[m/(1−w)]
とする.整数kを数列amの1項とすると
m/w−1<k=[m/w]<m/w
m−w<kw<m
一方,整数kを数列bmの1項とすると
m<kw<m+1−w
となるmが存在する.
これらは完全に相補的である.すなわち,与えられた整数kはamかbmのいずれかの項である.
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