■レイリー・ヴィノグラードフの定理(その3)
レイリーの定理(ヴィノグラードフの定理)とは「α,βを1/α+1/β=1を満たす無理数,[]をガウス記号とするとき,2つの数列{an}={[nα]},{bn}={[nβ]}は共通項がなく,併せるとすべての整数1,2,3,・・・を与える.」というものです.
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【1】ヴィノグラードフの定理の証明
逆にいうと,[αx]と[βy]を合わせると自然数全体が重複なしに表されるものとする.それはα,βは無理数で1/α+1/β=1が成り立つとき,そのときに限ることを証明してみましょう.
[1]条件の必要性
[αx]≦Nとなるようなxの個数は,N/α+λ (0≦λ≦C)
[βy]≦Nとなるようなyの個数は,N/β+μ (0≦μ≦D)
という形に表される.ただし,C,DはとものNに無関係な定数である.
N/α+λ+N/β+μ=Nの両辺をNで割ってN→∞とすれば,
1/α+1/β=1
が得られる.もし,αが有理数α=a/b (a>b>0)と書けたとすると,1/α+1/β=1より,[αb]=[β(a−b)]が出てくる.
[2]条件の十分性
条件が満足されていると仮定する.cを正の整数として,x≧c/α,y≧c/βを成り立たせる最小の整数x,yをそれぞれ
x0=c/α+ξ,y0=c/β+η (0<ξ,η<1)
とおく.x>x0→[αx]>c,y>y0→[αx]>c.また,αξ,βηは無理数である.
x0+y0=c+η+ξであるからξ+η=1.したがって,αξ/α+βη/β=1である.ゆえにαξとβηのうちの一方,そして一方のみが1より小さい.ゆえに[αξ]と[βη]のうちの一方,そして一方のみがcに等しい.
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