■3次曲面上の27本の直線(その41)
【1】E8格子のボロノイ領域
単独で8次元空間の充填形になるのは格子のボロノイ領域で,それは17280個の正単体の1/9(ひとつの頂点が最も近い部分)と2160個の正軸体の1/16(ひとつの頂点が最も近い部分)から成り立つ.
その体積は
正単体の体積3/2^48!×1/9×17280=1/112
正軸体の体積2^4/8!×1/16×2160=6/112
の合計(1+6)/112=1/16で,案外簡単な数になる.
この図形は8次元の平行面体(平行移動で面を貼り合わせて空間充填形になる)のひとつである.
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このように述べてもイメージが十分涌かないかもしれません.8次元という高い次元の難しさでしょうが,私自身も誤解しておりました.16は8次元正軸体の胞数ではなく,頂点の個数です.9も正単体の胞数ではなく,頂点の個数です.
ボロノイ図形とは8次元の空間充填形をなす頂点の作る格子点(具体的には八元整数の全体の作る作る格子)において,1個の特定の格子点Oに注目して,その点が最近の格子点であるような空間内の点集合です.
当然それはOに会する計17280個の正単体と2160個の正軸体の内部で,その頂点Oが最近の頂点であるような点の集合の合併になります.その各々は正単体の頂点まわりの9等分,正軸体の頂点まわりの16等分した部分になります.決して
17280/9=1920個の正単体
2160/16=135個の正単体
という意味ではありません.
たとえとして,3次元空間での正四面体と正八面体からなる空間充填形でみますと,そのボロノイ図形は1頂点のまわりに会する8個の正四面体の頂点付近の1/4と6個の正八面体の頂点付近の1/6の合併になります.
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