■3次曲面上の27本の直線(その39)
【3】まとめ
この格子には座標を回転した形でまったく別の表現もあります.コンウェイはむしろその方を扱っているようです.しかし,充填形として考える場合どちらがわかりやすいかは疑問です.
ただし,どうも格子の話が主で,正軸体と正単体がどのように配列されているのかは見やすくありません.原点を1頂点と考えると上述2160個各々の対頂点で,両者の垂直二等分面上に(原点からの距離1),他の14個の頂点があります.これら正軸体の中間を正単体が埋めている形です.
ところで,ここでで述べたE8の亜正多面体の体積は正しいのですが,あの図形が空間充填形になるように思ったのは錯覚であって,単独で8次元空間の充填形になるのは格子のボロノイ領域です.この図形は8次元の平行面体(平行移動で面を貼り合わせて空間充填形になる)のひとつで,17280個の正単体の1/9(ひとつの頂点が最も近い部分)と2160個の正軸体の1/16(ひとつの頂点が最も近い部分)から成り立ちます.その体積は
正単体の体積3/2^48!×1/9×17280=1/112
正軸体の体積2^4/8!×1/16×2160=6/112
の合計(1+6)/112=1/16で,案外簡単な数になります.
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