■3次曲面上の27本の直線(その38)

【2】ケイリー整数とE8格子

 8次元のこの格子(E8格子と呼ばれる)の格子点はおおざっぱにいうと,次のような点から成り立ちます.

  1)座標がすべて整数値の点

  2)座標がすべて半整数値の奇数倍の点

  3)4個が整数値,4個が半整数値の奇数倍の点

 ただし,3)においてその4個は全8個からの4個の組み合わせ8C4=70組のうち,特定の14組に限る.具体的には実数部をe0,虚数部をe1−e7とするとき,ei,ej,ekのうち積の結合法則ei・(ej・ek)=(ei・ej)・ekがが成立する(i,j,k)の3つ組が7組あり,その組に実数の0番を加えた(0,i,j,k)7組とその補集合7組の合計14組とする.

 「八元整数」を作るにはこのままでは不備がありますが,充填図形としてはこのままで問題ありません.たとえば,最近距離1の格子点には

  (±1,0,・・・・・,0)の置換16個

  (±1/2,±1/2,±1/2,±1/2,0,・・・,0)の型14×16=224個,合計240個.

 次の距離√2の格子点は

  (±1,±1,0,・・・・・,0)の置換8C2×2^2=112個

  (±1/2,±1/2,±1/2,±1/2,±1,0,・・・,0)の型14×16×4×2=1792個

  (±1/2,±1/2,±1/2,±1/2,0,・・・,±1/2)の型2^8=256個,合計2160個=240・(1^3+2^3)個となります.

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