■ヘロン・オイラー・サマーヴィルの公式と三角錐(その12)
【3】ブラーマグプタの公式
四角形は4辺の長さを与えてもその形は決まらないので,そのような公式は期待できませんが,四角形が円に内接するとき,面積は最大値をとり,ブラーマグプタの公式
S=((s−a)(s−b)(s−c)(s−d))^1/2,
s=(a+b+c+d)/2
が成り立ちます.
(証明)
四角形の4辺の長さをa,b,c,d,内角をα,β,γ,δとする.ここで,2s=a+b+c+dとおくと,四角形の面積は
S^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)−abcd(1+cos(β+δ))/2
となる.
四角形が円に内接するとき,β+δ=π,cos(β+δ)=−1より,面積は最大となり
S^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)
が成り立つ.この定理でd→0とすると,三角形のヘロンの公式
Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)
が得られる.しかしながら,円に内接する五角形や六角形については,ヘロンの公式の類似物は存在しない.
この定理でd→0とすると,三角形のヘロンの公式
Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)
が得られる.
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【4】トレミーの定理
不足の条件を補うには,余弦定理よりもトレミーの定理
「円に内接する四角形の相対する辺の長さの積の和=対角線の積
AB・CD+AD・BC=AC・BD」
を活用した方が簡単である.
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