■対数と計算尺(その3)

 三角比表と次の三角恒等式

  cosA・cosB={cos(A+B)+cos(A−B)}/2

を使って,0と1の間にある2つの数の積を計算することを考える.

 たとえば,0.2897と0.3165のかけ算の場合,

  cos73.160°=0.2897

  cos71.548°=0.3165

0.2897×0.3165={cos144.708°+cos1.612°}/2=0.0917

となる.

 対数

  logXY=logX+logY

の出現により,かけ算を足し算に変換できるようになり,加減法は廃れたが,三角恒等式を使った計算は第2次大戦中,照準計算に使われたという話を聞いたことがある.一種のアナログ・コンピュータだったというわけである.

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