■ディリクレの鳩(その36)
【1】シュミットの部分空間定理
超越数の理論から,任意のεに対してc>0が存在して,すべての整数p,q1,・・・qnに対して
|q1e+・・・+qne^n−p|>cq^(-n-ε) q=max|qi|
が成り立つが,ロスの定理を一般化したシュミット(1971年)の研究は,e,・・・,e^nを有理数上1次独立であるような代数的数θ,・・・,θ^nに置き換えても同じことが成り立つことを示している.
|q1θ+・・・+qnθ^n−p|>cq^(-n-ε) q=max|qi|
シュミットの拡張は部分空間定理と呼ばれるものである.
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【2】無理性の階層
|α−p/q|<c/q^k
に無限個の解があるkの上限を示すと
有理数: 1
代数的数: 2
e: 2
ζ(3) : 5.441243
π: 8.016045
リュービル数:∞
[補]エルデシュ数:Σ1/(k!+1)=1.526068・・・
カタラン数 :Σ(−1)^k-1/(2k−1)^2=0.915965・・・
オイラー数 :lim(Σ1/k−lnn)=0.577215・・・
の正体は依然として不明である.
[補]πの乱数度
1997年,近似エントロピーという統計的手法を使った乱数度評価では,乱数度の高い順に並べると
π>√2>e>√3
の順で,超越数が代数的数より乱数度が高いとは限らないという結果もでているそうです.
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