■球面三角法(その7)

【1】大円弧32面体

それでは、72度30本でできたねじれ12面体についてもお願いします。

球面距離24度の正五角形12個と

球面距離48度の正三角形20個で、4πとなるのかということです。  (中川宏)

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【2】球面三角法

 半径1の球面(単位球面)上に3点A,B,Cがあり,それぞれが大円の弧で結ばれているものとします.球面三角形ABCの3辺の長さ(球面距離)をa,b,cで表すとそれぞれ大円の中心角となります.すなわち,単位球では球面距離を中心角と同一視できるわけです.また,内角A,B,Cは大円同士が交わる面角の大きさです.

 球面三角法の公式は多数ありますが,計算に便利なように単位球における式として与えられています.ここで用いるのは

  cosc=cosa・cosb+sina・sinb・cosC

とその巡回置換,それに球面三角形ABCの面積Sを角過剰として表した

  S=A+B+C−π

の2つだけです.

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  cos48=cos48・cos48+sin48・sin48・cosC0

cosC0=(cos48-cos48・cos48)/sin48・sin48

 S=3C0−π

 球面三角形の総面積はSが20枚あるので

  20S

となるというわけです.

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正五角形の1辺の長さをaとすると対角線の長さはaφです

 次に,正五角形の辺に対する中心角θ1=12度と対角線に対する中心角θ2を求めたいのですが

  sin(24/2)=a

  sin(θ2/2)=aφ=φsin(12)

より,

  θ1=24

  θ2=2arcsin(φsin(12))

 切断面の正五角形のある頂点から対辺に向けて2本の対角線を引くと,正五角形が3個の三角形に分割されます.そして2本の辺と1本の対角線からなる三角形ABCに対しては,球面三角法の公式

  cosθ2=cos^2θ1+sin^2θ1cosC

  cosθ1=cosθ1cosθ2+sinθ1sinθ2cosA

  cosθ1=cosθ1cosθ2+sinθ1sinθ2cosB

が成立しますから

  C=arccos((cosθ2−cos^2θ1)/sin^2θ1)

  A=B=arccos((cosθ1−cosθ1cosθ2)/sinθ1sinθ2)

より,球面三角形の面積

  S1=A+B+C−π

が求まります.

 1本の辺と2本の対角線からなる三角形XYZに対しても,

  cosθ1=cos^2θ2+sin^2θ2cosZ

  cosθ2=cosθ1cosθ2+sinθ1sinθ2cosX

  cosθ2=cosθ1cosθ2+sinθ1sinθ2cosY

が成立しますから

  Z=arccos((cosθ1−cos^2θ2)/sin^2θ2)

  X=Y=arccos((cosθ2−cosθ1cosθ2)/sinθ1sinθ2)

より,

  S2=X+Y+Z−π

 球面五角形の総面積は

  2S1+S2

が12枚あるので

  12(2S1+S2)

となるというわけです.

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ここで、C=A+X=2A+Zが成り立つかどうか?

C0+C=πが成り立つかどうか?

確認しておく必要がある。

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大円ではないのかもしれません。小円だとすると計算は難しいでしょうね。

ねじれ12面体は、一目で大円を外れていますので、難しいかもしれません。

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球面距離24度の正五角形12個と

球面距離48度の正三角形20個を固定すると

球面距離29.06756度の正五角形12個となった。

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等間隔になるような値を求めることはできませんか?

B=A/2となるように計算するとB=52.2811となった。

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この大円弧多面体はねじれ12面体をもとに設計されている。

ねじれ12面体を外接球上に投影してたものが大円になるのであることがわかっていれば、

ねじれ12面体の2頂点のなす中心角を求めることも考えられ、そのほうが簡単と思われる。

ねじれ12面体を外接球上に投影しても大円になるかどうかわからないため、4πとなる中心角を求めた。

その後の中川さんの検討では、大円弧でよさそうだということであった。

非常に興味深い構造物である。私はフラーのgeodesic domeは面白みに欠ける構造物と感じていたので、建築関係の学会で発表されてみてはとお勧めした。

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