■分割数の漸近挙動(その96)

【1】ラマヌジャンの分割数

 一方,τ(n)はmod7,mod23,mod691と大変よい関係にあることがわかっている.

  τ(7n)=0  mod7

  τ(7n+3)=0  mod7

  τ(7n+5)=0  mod7

  τ(7n+6)=0  mod7

  τ(23n+k)=0  mod23  (kが23の平方非剰余のとき

  τ(n)=σ11(n)  mod691  (σ11(n)はnの約数の11乗の和)

 τ(n)のおよその大きさを決めるのは難しい問題であったが,ラマヌジャンは素数pに対して,

  |τ(n)|≦2p^11/2

が成り立つことを予想し,1973年,ドリーニュはこれが正しいことを証明した.

===================================

【2】ラマヌジャンの分割数と判別式

 τ(p)はpが増加するとき,急激に増加するのですが,1974年,ドリーニュによって,ラマヌジャン予想,

  |τ(p)|<2p^(11/2)

が証明されています.この式はp^(-s)=xとおいた2次式

  1-τ(p)x+p^11x^2

の虚根条件(判別式:τ(p)^2-4p^11<0)となっていることに注意して下さい.

===================================