■分割数の漸近挙動(その75)
分割関数p(n)は整数値をとりますが,分割数を表す簡単な公式はありません.しかし,ラマヌジャンが予想した注目すべき近似式が知られています.
p(n) 〜 1/4n√(3)exp(π√(2n/3))
インド生まれの数学者ラマヌジャンは,多くの公式や定理を発見し,神秘的な東洋の天才数学者とよばれていて,1日1つの割合で新しい公式または定理を発見したといわれています.ラマヌジャンは,素数と同じくらい風変わりな数として高次合成数の性質について探求しています.合成数とは素数でない数のことで,高次合成数とは24のように1,2,3,4,6,8,12,24と多くの約数をもつ数のことです.
その後,分割関数はラーデマッハーによって修正され,完全な明示公式が与えられました(1937年).
p(n)=1/π√(2)Σk^(1/2)Ak(n)d/dn{sinh(πλn√(2/3))/λn}
この明示公式には,1の24乗根が使われていますが,24は代表的な高次合成数になっています.
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