■分割数の漸近挙動(その74)

【2】分割関数の明示公式

 分割数を求めるには,五角数を利用したオイラーの方法があります.

  p(n)-p(n-1)-p(n-2)+p(n-5)+p(n-7)-p(n-12)-p(n-15)+・・・=0^n

ただし,n=0のとき0^n=1,nが正のときは0^n=0とします.符号は2つずつ組になって反転していますが,それにしても不思議な公式です.

 また,分割数は,以下の公式によって代数的に定義することもできます.

  f(x)=Π(1-x^n)^(-1)={(1-x)(1-x^2)・・・(1-x^n)・・・}^(-1)=Σp(n)x^n

 f(x)は分割関数p(n)の母関数ですが,オイラーの五角数定理

  Π(1-q^n)=Σ(-1)^mq^(m(3m-1)/2))

により

  x^(1/24)/f(x)=Σ(-1)^nx^((6n-1)^2/24)

したがって,左辺はデデキントのイータ関数の定義そのもの,また,右辺は確かにテータ級数(ベキが平方数であるような交代級数)であることがわかります.なお,三角関数に対応する楕円関数sn,cn,dnがヤコビの楕円関数と呼ばれるのに対して,指数関数に対応するのがヤコビのテータ関数で,ヤコビはテータ関数:

  θ3(z)=1+2Σq^(n^2)cos(2nπ)

などを使って,楕円関数を表すことにも成功しています.

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