■分割数の漸近挙動(その66)

 分割の母関数を

  f(x)=p(0)+p(1)x+p(2)x^2+p(3)x^3+・・・

とする.

 1を超える部分をもたない分割は

  n=1+1+・・・+1

ただひとつであるから,

  f(x)=1/(1−x)=1+x+x^2+x^3+・・・

 次に

  f(x)=1/(1−x^2)=1+x^2+x^4+x^6+・・・

を考える.x^6の項をみると6が唯一の分割をもつことを意味している.それは6=2+2+2,すなわち部分がすべて2の分割である.

 それでは

  f(x)=1/(1−x)・1/(1−x^2)

=(1+x+x^2+x^3+・・・)(1+x^2+x^4+x^6+・・・)

=1+x+2x^2+2x^3+3x^4+・・・

は何を意味しているのだろうか?

 たとえば,x^4の係数3はぶぶんが1と2の分割

  2+2,1+1+2,1+1+1+1

の3通りに対応している.

 これを続けていると

  f(x)=1/(1−x)・1/(1−x^2)・・・1/(1−x^m)

は部分がmを超えないnの分割の個数を表している.

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[1] f(x)=1/(1−x)・1/(1−x^2)・1/(1−x^3)・・・

は大きさに関する制限のないnの分割の個数

[2] f(x)=1/(1−x)・1/(1−x^3)・1/(1−x^5)・・・

は奇数の部分だけのnの分割の個数

[3]nの等しくない部分への分割の個数は,奇数の部分だけのnの分割の個数に一致する.

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