■カルダノの公式(その46)

 3次方程式:x^3=px+qの解は

  x=3√A+3√B

  A=q/2+√((q/2)^2−(p/3)^3)

  B=q/2−√((q/2)^2−(p/3)^3)

で与えられる.

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 x^3=8xー3の場合,p=8,q=−3であるから

(q/2)^2−(p/3)^3=ー5/3(15/6)^2<0

となる.

しかし、この方程式の根はx=ー3,(3+√5)/2,(3ー√5)/2であるからすべて実数である。どうなっているのだろうか?

上の公式は平方根の中は正であり、公式の立方根として実数をとる限りは複素数が現れないで、実数の根のみが与えられる。この奇妙なふるまいはこの公式が持っている悩ましい性質であるが、 このような欠陥を持たない公式はないのだろうか?

しかし、そのような公式は存在せず、3つの実数解を持つばあいであっても、複素数経由でたどり着かなければならないのである。,

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 x^3=ー6x+20の場合,実数解はx=2だけであるのであるが、公式は

x=(10+√108)^1/3+(10ー√108)^1/3

を与える。

しかし、

10+√108=10+6√3=(1+√3)^3

10ー√108=10ー6√3=(1ー√3)^3

より、x=2に帰着されるのである

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