■素数定理のための発見的議論(その25)

あるxについてそれ未満の数の中の素数の数をπ(x)とします。

数xを2倍にした場合、π(x)も2倍になるでしょうか?

この問題に解答を与えたのは当時まだ16歳にもならないガウスでした(1793年)

π(x)〜x/logx

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x〜2xまでの間にある素数の数はx未満の素数の数より少ない

π(2x)-π(x)〜2x/(logx+log2)-x/log(x)

π(2x)-π(x)〜2x/(logx(1+log2/logx))-x/log(x)

π(2x)-π(x)〜2x(1-log2/logx)/logx-x/log(x)・・・ここで、1>>log2/logxとしている

π(2x)-π(x)〜x/(logx)-2xlog2/(logx)^2

〜x/(logx)[1-2log2/(logx)]=x/(logx)[1-log4/(logx)]・・・ここで、1>>log4/logxとなる→n未満の素数の数と同じ程度である

π(3x)-π(x)〜3x/(logx+log3)-x/log(x)

π(3x)-π(x)〜3x/(logx(1+log3/logx))-x/log(x)

π(3x)-π(x)〜3x(1-log3/logx)/logx-x/log(x)

π(3x)-π(x)〜2x/(logx)-3xlog3/(logx)^2

xが何倍増えても素数の数はその1/2倍くらいにしかならない。→n未満の素数の数と同じ程度である

つまり素数は大きな数になるにしたがって少なくなる。

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n<p<2nの間には常に1個の素数がある

または同じことだが、pk+1<2pk・・・各素数はその前の素数の2倍より小さい

3<2・2、5<2・3,7<2・5,11<2・7

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101!+1の次の素数は少なくとも100離れています。素数のなることができない数が101!+2から101!+101まで100個続きます。

(10^6+1)!+nでは100万個の連続した整数がすべて合成数です。

しかし、相対的には素数の存在しない領域はむしろわずかです。

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