■ペル方程式(その129)
[Q]92a^2+1が平方数b^2となるような,整数a,bを求めよ.
===================================
【1】チャクラバーラ法
チャクラバーラ法は近い方程式の解を見つけることから出発する
x=a,y=bがひとつの小さい数値kに対するNx^2+k=y^2の解であるとする
たとえばx=1,y=mはNx^2+(m^2-N)=y^2の解である。
このときブラーマグプタの恒等式より
N(am+b)^2+(m^2-N)k=(bm+Na)^2
x=(am+b)/k,y=(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解になっている。
m=10,N=92 61+(64-61)=64 a=1,b=10,k=b^2-Na^2=8
a=1,b=10、k=b^2-Na^2=8
mをam+bがkで割り切れるようにとるとbm+Naもkで割り切れることになり、
x=(am+b)/k,y(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解であって、(m^2-N)/kもまた整数である。
そこで、(m^2-N)/kがkよりも小さくなるように工夫すれば、この操作の繰り返しによりNx^2+1=y^2の整数解が得られることになる。
===================================
(m+10)/8が整数となるものの中で、m^2-92ができる限り小さくなるものを見つけ出した→m=14
→a=(m+10)/8=3,b=(10m+92)/8=(140+92)/8=29,k=841-92・9=13
(3m+29)/13が整数となるもののなかで、m^2-92ができる限り小さくなるようなものはm=12
→a=(3m+29)/13=5,b=(29m+92・3)/13=(348+276)/8=48,k=2304-92・25=4
(5m+48)/4が整数となるもののなかで、m^2-92ができる限り小さくなるようなものはm=8
→a=(5m+48)/4=22,b=(48m+92・5)/4=(384+460)/4=211,k=44521-92・484=7
(22m+211)/7が整数となるもののなかで、m^2-92ができる限り小さくなるようなものはm=13
→a=(22m+211)/7=71,b=(211m+92・22)/7=(2743+2024)/7=681,k=463761-92・5041=11
(71m+681)/11が整数となるもののなかで、m^2-92ができる限り小さくなるようなものはm=9
→a=(71m+681)/11=120,b=(681m+92・71)/11=(6129+6532)/11=1151,k=1324801-92・120・120=1
したがって,(x,y)=(1151,120)はペル方程式の整数解となる.
===================================
5ステップで完成
===================================