■ペル方程式(その91)
ブラーマグプタの銘言に「数学者とは
x^2−92y^2=1
を1年以内に解ける人のことである」とあるそうです.
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【1】ブラーマグプタの恒等式
(x1^2−Ny1^2)(x2^2−Ny2^2)=(x1x2+Ny1y2)^2−N(x1y2+x2y1)^2
そして,ブラーマグプタはこの恒等式を使って
x^2−92y^2=1
を解いたそうです(628年).
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たとえば,x=10,y=1のとき
x^2−92y^2=8
比較的小さい値なので,これを使うことにする.
[1]ブラーマグプタの恒等式に
N=92,x1=x2=10,y1=y2=1
を代入すると
8^2=192^2−192・20^2
1=24^2−92・(5/2)^2
[2]ブラーマグプタの恒等式に
N=92,x1=x2=24,y1=y2=5/2
を代入すると
1=1151^2−92・120^2
したがって,(x,y)=(1151,120)はペル方程式の整数解となる.
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【1】チャクラバーラ法
チャクラバーラ法は近い方程式の解を見つけることから出発する
x=a,y=bがひとつの小さい数値kに対するNx^2+k=y^2の解であるとする
たとえばx=1,y=mはNx^2+(m^2-N)=y^2の解である。
このときブラーマグプタの恒等式より
N(am+b)^2+(m^2-n)k=(bm+Na)^2
x=(am+b)/k,y(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解になっている。
mをam+bがkで割り切れるようにとるとbm+Naもkで割り切れることになり、
x=(am+b)/k,y(bm+Na)/kはNx^2+(m^2-N)/k=y^2の解であって、(m^2-N)/kもまた整数である。
そこで、(m^2-N)/kがkよりも小さくなるように工夫すれば、この操作の繰り返しによりNx^2+1=y^2の整数解が得られることになる。
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