■五角数(その14)
立方数の和=三角数Tnの平方 (Σk^3=(n(n+1)/2)^2)
であるが、五角数1,5,12,22,35,・・・,Pn=n(3n−1)/2については,五角数の和が
ΣPk=n^2(n+1)/2
となること,三角数との関係では
Pn=T2n-1−Tn-1,Pn=T3n-1/3
となることは高校生でも計算できるだろう.
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一般に「m角数定理」とは「すべての自然数はたかだかm個のm角数で表せる」というものである.三角数を△,四角数を□,五角数を☆で表すことにすると,この定理でm=3の場合がガウスの定理「n=△+△+△」,m=4の場合がラグランジュの定理「n=□+□+□+□」,m=5の場合が五角数定理「n=☆+☆+☆+☆+☆」に相当する.
五角数に限らず,m角数を図形的に考えてみると,m角形にn−1番目の三角数Tn-1=(n−1)n/2個の点からなる三角形を追加して作ることができるから
n+(m−2)Tn-1=1/2・n・{2+(m−2)(n−1)}
と考えることができる.したがって,三角数との関係は五角数に特別のものではない.それでは,五角数には何か面白い性質はないのだろうか?
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フィボナッチ数Fnは指数関数的であって,たとえば,初項1,第2項2のフィボナッチ数列1,2,3,5,8,13,・・・の一般項は
Fn=1/√5[{(1+√5)/2}^n+1−{(1−√5)/2}^n+1]
と表される.また,三角関数を使った積表示
Fn=Π(l=1~[(n+1)/2]{1+4cos^2(lπ/(n+1))}
をもつ.
初項1,第2項1のフィボナッチ数列の場合は積表示においてn+1→nとなるだけのことであり,いろいろな恒等式
Fn・Fn+2=Fn+1^2−(−1)^n (カッシーニの公式)
F1+F2+F3+・・・+Fn=Fn+2−1
F1+F3+F5+・・・+F2n-1=F2n
F2+F4+F6+・・・+F2n=F2n+1−1
フィボナッチ数の平方の和については
F1^2+F2^2+F3^2+・・・+Fn^2=Fn・Fn+1
Fn+1^2=4FnFn-1+Fn-2^2
Fn+1^2=2Fn^2+2Fn-1^2−Fn-2^2
Fn+1^2=4Fn-1^2+4Fn-1Fn-2+Fn-2^2
Fn+1^2=4Fn^2−4Fn-1Fn-2−3Fn-2^2
などが知られている.
それに対して,五角数Pnは多項式関数であるから,積表示はもたないだろうと思われる.特別な点といえば,五角数(したがって三角数も)整数の分割数と深く関係していることであろう.
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