■ケプラーの球体充填問題(その27)
【補】シンプレックス法
線形計画法は最小の費用の下で得られるべき利益を最大にすることを目的とした最適化の1つの方法です.商業上重要というだけでなく,数学のいろいろな分野でも使われます.
線形計画法におけるシンプレックス法は,有限個の線形不等式
Ax≧b, maximize cx
の解の集合から最適解を求めるもので,ダンツィックにより1947年から開発が進められました.その手順はまず実行可能な頂点を見つけ,そこから多面体の辺に沿って,線形の目的関数cxが増加するように進んでいくというものです.
d次元の場合,多面体の各頂点からはd本の辺がでているのですが,しかし,目的関数が増加するような次の辺をどうやって選べばよいかは現在でも完全には解決されていない問題となっています(多項式時間アルゴリズムがあるか?).
また,一口にシンプレックス法といっても,データが得られた状況によってそれぞれに最適な手法が用意されていて,それらを適宜選択し使い分ける必要が出てきます.シンプレックス法の教科書はこれまで多数出版されていますが,たいていはxが非負の場合のみを解説しています.変数xが非負の値をとるようにした制約条件の場合,非基底変数の値は0ですが,下限Lと上限Uの間の値をとるようにした制約条件の場合,非基底変数の値はLかUのどちらかとなります.
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