■ケプラーの球体充填問題(その15)
【3】最密球充填の問題
球の充填および接触数の問題は,ヒルベルトの第18問題として取り上げられているものですが,1998年にトマス・ヘールズによって
「キャノンボール・パッキングよりも密度の高い3次元パッキングは存在しない」
ことが証明されました.へールズは3GBのコンピュータプログラムにるよる証明を提示しました.
また,24次元の最密球充填の問題は2004年,コーンとクマールによって完全に解決されています.多くの場合,最密充填は整然とした格子によってもたらされるのですが,次元によっては最大接触数が一見ランダムな配置によって実現する場合もあるので問題は複雑なのです.ランダムな配置まで含めても,面心立方格子が3次元空間における最密充填構造だというケプラー予想は,400年近く経ってやっと定理に昇格したことになります.
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