■ケプラーの球体充填問題(その8)
2000年の記事を再掲
【2】シュレーフリ関数Fn(θ)
シュレーフリ関数Fn(θ)は
Fn+1(θ)=2/π∫(1/2arcsec(n),θ)Fn-1(φ)dθ
sec2φ=sec2θ−2
F0(θ)=1,F1(θ)=1
で再帰的に定義される関数です.
二面角2θのn次元正単体を,その中心から(n−1)次元単位超球面上に射影したとき,1つの胞が占める面積は,
sn=nvn=2πvn-2
として,
2^(-n)n!snFn(θ)
で表されます.
とくに,n=2の場合,円周上には2θの円弧が射影され,s2=2πですから,
F2(θ)=2θ/π
n=3の場合,内角が2θ,2θ,2θの球面正三角形に射影され,その面積は6θ−π,また,s3=4πですから,
F3(θ)=2θ/π−1/3
となります.
シュレーフリ関数は二面角が直角の場合を基準としています.二面角が直角の1次元基本単体を外接円に射影すると,外接円は4等分(=2^2)されます.二面角が直角の2次元単体を外接球に射影すると,外接球は8等分(=2^3)されますから,
2^(-n)n!snFn(π/4)=2^(-n)sn
したがって,
Fn(π/4)=1/n!
正単体の場合,θ=π/3で,超球面は(n+1)胞により分割されますから
2^(-n)n!snFn(π/3)=sn/(n+1)
より,
Fn(π/3)=2^n/(n+1)!
となります.
また,相補性を考慮すると
2^(-n)n!snFn(θ)+2^(-n)n!snFn(π−θ)=sn
すなわち
Fn(θ)+Fn(π−θ)=2^n/n!
ですから,θ=π/2を代入して
Fn(π/2)=2^(n-1)/n!
であることがわかります.
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F3(1/2arccos(1/3))=arccos(1/3)/π−1/3
それに対して,F4(θ)を解析的に求めることは難しいのですが,F4(1/2arccos(1/4))の場合,公式
Fn+1(1/2arccos(1/n))=0
を用いて,
F5(1/2arccos(1/4))=0
また,
F5(θ)=F4(θ)-1/3F2(θ)+2/15
より,
F4(1/2arccos(1/4))=1/3(arccos(1/4)/π-2/5)
と計算されます.
F4では,特殊値
F4(1/2arccos(1/3))=0
F4(π-1/2arccos(1/3))=2/3
F4(1/2arccos(1/4))=1/3(arccos(1/4)/π-2/5)
F4(π-1/2arccos(1/4))=1/3(12/5-arccos(1/4)/π)
の他にも,
F4(π/5)=1/900,F4(2π/5)=191/900,F4(3π/5)=409/900,F4(4π/5)=599/900
F4(π/4)=1/24,F4(π/2)=1/3,F4(3π/4)=5/8
F4(π/3)=2/15,F4(2π/3)=8/15
が知られています.
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