■SPLAG(その10)

【1】格子のテータ関数

 格子に含まれるベクトルで与えられたノルム(長さの2乗)のものがいくつあるかによって,テータ関数が決まります.たとえば,六角格子ではノルム0のベクトルは1個,ノルム1のベクトル6個,ノルム3のベクトル6個,ノルム4のベクトル6個,ノルム7のベクトル12個,・・・と数えていけば,この格子のテータ関数Θ(z)は

  Θ(z) =1+6q+6q^3+6q^4+12q^7+・・・

     =Σaq^k   q=exp(2πiz)

と定義されます.

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(例)Z

  θ3=Σq^m^2=1+2q+2q^4+2q^9+2q^16+・・・

(例)Z+1/2

  θ2=Σq^(m+1/2)^2=2q^1/4+2q^9/4+2q^25/4+・・・

(例)Z^n

  θ3^n

 Z^nのテータ関数は

  θ3^n

であるがもっと詳細に調べてみると,2次元のZ^2格子において,

  格子点 :m→q^m→θ3^2

  辺の中心:m+1/4→q^m+1/4→θ3θ2

  面の中心:2m+1/2→q^2m+1/2→θ2^2

3次元のZ^3格子において,

  格子点 :m→q^m→θ3^3

  辺の中心:m+1/4→q^m+1/4→θ3^2θ2

  面の中心:2m+1/2→q^2m+1/2→θ3θ2^2

  体の中心:2m+3/4→q^2m+3/4→θ2^3

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(例)FCC=A3=D3

  1/2(θ3^3+θ4^3)

=θ3(4z)^3+3θ3(4z)θ2(4z)^2

=1+12q^2+6q^4+24q^6+・・・

(例)BCC

 θ2(4z)^3+θ3(4z)^3

=1+8q^3+6q^4+12q^8+・・・

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(例)D4

  1/2(θ3^4+θ4^4)

=θ2(2z)^4+θ3(2z)^4

=1+12q^2+6q^4+24q^6+・・・

(例)Dn

  θ4=Σ(−q)^m^2=1−2q+2q^4−2q^9+2q^16−・・・

  1/2(θ3^n+θ4^n)

 D4+=Z4より

  1/2(θ2^4+θ3^4+θ4^4)=θ3^4

より

  θ3^4=θ2^4+θ4^4

 D16+=H8+H8より,16次元ダイアモンド格子D16+のテータ関数は

  1/2(θ2^16+θ3^16+θ4^16)

E8+E8のテータ関数は

  {1/2(θ2^8+θ3^8+θ4^8)}^2

(例)ダイアモンド格子

  1/2(θ2^3+θ3^3+θ4^3)

=1+4q^3/4+12q^2+12q^11/4+6q^4+・・・

(例)E8格子

  1/2(θ2^8+θ3^8+θ4^8)

=θ2(2z)^8+14θ2(2z)^4θ3(2z)^4+θ3(2z)^8

 Θ(z) =1+240Σσ3(m)q^2m

=1+240q^2+2160q^4+6720q^6+・・・

より,E8格子において,原点からの距離が√nである格子点の個数は

  240σ3(n)

(ここで,σ3(n)はnの約数の3乗の和)と表せることが知られています.すなわち,

  n=1 → 240・1^3=240個

  n=2 → 240・(1^3+2^3)=2160個

  n=3 → 240・(1^3+3^3)=6720個

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(例)リーチ格子Λ24

 Δ=q^2Π(1−q^2m)^24

=(1/2・θ2θ3θ4)^8=(1/2・θ1’)^8

=Στ(m)q^2m

=q^2−24q^4+252q^6+−1472q^8+・・・

と定義すると,リーチ格子において,

  Θ(z) =ΣN(m)q^m=1+196560q^4+16773120q^6+・・・

  N(m)=65520(σ11(m)−τ(m))/691

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【2】雑感

 リーチ格子Λ24は多面体と関係して構成されたものではなく,代数的に構成されたものと思われる.それに対して24次元格子D24は切頂切稜多面体と考えられ,そのオーダーは

  2^24・24!

である.

[Q]2^24・24!の下4桁は?

[Q]モンスター群のオーダー

  2^46・3^20・5^9・7^6・11^2・13^3・17・19・23・29・31・41・47・59・71

の下9桁は?

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