■SPLAG(その7)

 4次元正多胞体で空間充填多胞体では,正24胞体,立方体,正軸体の3種類があるが,正24胞体が最密球充填となる.

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【1】D4格子

 (2,0,0,0),(1,1,0,0),(1,0,1,0),(1,0,0,1)に対して,

   [2,0,0,0]

 M=[1,1,0,0]

   [1,0,1,0]

   [1,0,0,1]

とおくと,

  detD4=(detM)^2=4

  v4=π^2/2,r=1/√2

  Δ=vnr^n/(detΛ)^1/2=v4r^4/(detD4)^1/2

=π^2/16=0.6169

  δ=Δ/vn=1/8=0.6169

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 現在のところ,格子状配置の中で最密球充填となることが証明されている極大格子は,以下のn≦8についてのみである.

n   ルート   格子点間距離           球充填密度

1   A1(Z)   1                1

2   A2    4√(4/3)  =1.075    0.906

3   A3    6√2      =1.122    0.740

4   D4    8√4      =1.189    0.619

5   D5    10√8     =1.231    0.465

6   E6    12√(64/3)=1.290    0.373

7   E7    14√64    =1.346    0.295

8   E8    √2      =1.414    0.254

 このうち,n=1,2,3については,非格子状配置(面心立方格子と充填密度は等しいが規則的でないもの,ダイヤモンド格子のように周期的ではあるが等方的でないもの,ペンローズ格子のように周期的でないものなど)やランダム配置を含めても最密であることが証明されている.

[補]

n   ルート  球充填密度

2   A2   π/2√3=0.906(ラグランジュ1773,ガウス1831)

3   A3   π/3√2=0.740(ガウス1831)

4   D4   π^2/16=0.617(Korkine,Zolotareff,1872)

5   D5   π^2/15√2=0.465(Korkine,Zolotareff,1877)

6   E6   π^3/48√3=0.373(Blichfeldt,1925)

7   E7   π^3/105=0.295(Blichfeldt,1926)

8   E8   π^4/384=0.254(Blichfeldt,1934)

n   ルート  球被覆密度

2   A2~   2π/√27=1.209(Kershner,1939)

3   A3~   5√5π/24=1.464(Bambah,1954)

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