■パラメータ解(その12)
【1】4平方和定理(オイラー・ラグランジュの定理)
任意の自然数は4つの平方数の和の形に表せる.
オイラーはこの定理の直前まで行きながら,最後の段階で成功しませんでした.ラグランジュはオイラーの研究成果からアイデアを得て,1772年,最後の段階を突破しました.その証明中で用いられる基本公式が
(a^2+b^2+c^2+d^2)(p^2+q^2+r^2+s^2)=x^2+y^2+z^2+w^2
x=ap+bq+cr+ds,
y=aq−bp+cs−dr,
z=ar−bs−cp+dq,
w=as+br−cq−dp
で,1748年にオイラーによって証明されています.
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【2】m角数和定理
すべての自然数はたかだかm個のm角数で表せる.
1/2・n・{2+(m−2)(n−1)}の形の自然数をm角数といいます.すなわち,三角数とはn(n+1)/2,四角数とはn2 の形の自然数,すなわち平方数です.
ガウスは1796年の日記に「わかった! n=△+△+△」と書いていますが,それはすべての整数は3つの3角数の和によって表しうるという意味で,m=3の場合についての証明に相当します.ガウスの発見は8n+3の形をしたすべての整数を3つの奇数の平方の和として表せることを意味していて,3平方和定理「8n+7の形の自然数は3つの平方数の和では表せない」を用いるとn=△+△+△を簡単に示すことができます.
(証明)
4^k(8n+7)でない奇数は3平方和で表せますから,任意の自然数nに対して8n+3=x^2+y^2+z^2と書けます.このとき,x=2o+1,y=2p+1,z=2q+1とおくとn=o(o+1)/2+p(p+1)/2+q(q+1)/2
この定理で,m=3の場合がガウスの定理「n=△+△+△」,m=4の場合がラグランジュの定理「n=□+□+□+□」に相当します.フェルマーが遺して後世を悩ましていたこの命題は,オイラー,ラグランジュ,ルジャンドルなどの研究を経て,1813年,コーシーが証明しセンセーションを巻き起こしました.
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【3】3平方和定理
4n+3の形の数は2個の平方数の和で表せませんが,同様にして,「8n+7の形の数は3個の平方数の和では表されない.」
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