■4平方和定理と290定理(その6)

 たとえば,7を平方数の和として表すには

  7=2^2+1^2+1^2+1^2

  15=3^2+2^2+1^2+1^2

のように4つの平方数が必要になる.

 ラグランジュの4平方和定理によれば,すべての正の整数nは4つの平方和として表すことができる.

  n=a^2+b^2+c^2+d^2

 ルジャンドルは 

  a^2+b^2+c^2+md^2  (m=1,2,3,4,5,6,7)

がすべての正の整数を表現することができることを示した.

 ラマヌヌジャンはすべての正の整数を表現することができる

  Aa^2+Bb^2+Cc^2+Dd^2

(A,B,C,D)の全リストを示した.

  a^2+2b^2+3c^2+4d^2

もすべての正の整数を表現することができる.しかし,ラマヌジャンのリストにない,たとえば

  a^2+2b^2+5c^2+5d^2

は15を除いたすべての正の整数を値にとることができる.

 ラグランジュの4平方和定理を一般化する試みとして,そのn平方和版が15定理である.さらに,行列の成分がすべて整数になるという条件を弱めて,2次形式の係数がすべて整数になると条件に変えたものが290定理である.

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