■泡の構造(その25)
(その24)の解は平面を鏡映三角形で埋めることをユークリッド面(放物的)で考えたものですが,リーマン面(楕円的),ロバチェフスキー面(双曲的)を問題にするならば,解は非常に異なるものになります.
α+β+γ>π,=π,<π
すなわち
1/a+1/b+1/c>1,=1,<1
に応じて楕円幾何学,ユークリッド幾何学,双曲幾何学の三角形が得られます.
1/a+1/b+1/c>1を満たす正の整数の組みたす(a,b,c)は高々有限個で,(n,2,2)は正2面体群,(3,3,2)は正4面体群,(4,3,2)が正8(6)面体群,(5,3,2)は正20(12)面体群に対応しています.一方,1/a+1/b+1/c<1の場合は無限個あり,双曲幾何学における市松模様三角形タイル張りの可能性は無限にあることになります.
すなわち,楕円的平面では基本領域は有限個しかなく,有限個の基本領域をならべることによって全平面を埋めつくすことができます.一方,双曲的平面の場合には,無限に多くの種類の基本領域があり,全平面を隙間なく埋めるには無限個必要となります.ユークリッド平面はその中間で,基本領域は有限種類しかないが,全平面を埋めつくすには無限個必要であるというわけです.
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