■泡の構造(その23)

【2】2次不等式による証明

 2次不等式

  p^2−(12−2q−r+4/r)p−4<0

において,

(1)q=r=3とおくと

  p<(13+√313)/6=5.1153

より,{p,q,r}={3,3,3},{4,3,3},{5,3,3}

(2)q=3,r=4とおくと

  p<4

より,{p,q,r}={3,3,4}.なお,{4,3,4}は3次元立方格子になる.

(3)q=4,r=3とおくと

  p<(7+√193)/6=3.48・・・

より,{p,q,r}={3,4,3}.

(4)q=3,r=5とおくと

  p<(9+√481)/10=3.09・・・

より,{p,q,r}={3,3,3}.

(5)q=5,r=3とおくと

  p<(1+√145)/6=2.17・・・

===================================

【補】3次元・4次元・5次元の図形で2辺角・2面角・2体角の和が2πとなってフラットになったとき,2次元・3次元・4次元の無限充填図形となる.

 4次元空間において正多胞体{a,b,c}が胞を共有しあいながら各面の周りにd個ずつ集まる4次元空間充填図形を{a,b,c,d}と書くことにすると,これには4次元立方格子{4,3,3,4},正16胞体格子{3,3,4,3},正24胞体格子{3,4,3,3}の3種類がある.

 3次元空間を埋め尽くす正多面体は立方体のみである.5次元以上の空間でもn次元立方体のみが空間充填図形となるのに対して,4次元空間の充填図形は多彩である.

 また,2種類以上の正多胞体の組み合わせで各辺の周りに一定の状態で集まる空間充填としては,3次元空間内において正4面体と正8面体が交互に集まるものがあるが,この4次元版は正16胞体単独による空間充填{3,3,4,3}となってしまう.4次元以上の空間で2種類以上の正多胞体の組み合わせによる空間充填図形は存在しないことになる.

===================================