■泡の構造(その2)

【4】マラルディの角

 [3]で2つの泡がくっついたとき,その境界も球面になり,この3つの球面の接合角度は120度となることを説明しましたが,石鹸膜の問題は表面積を最小にする問題ですから適切な平面による断面を考えることで[1]の問題の答えが適用できるといわけです.

 また,互いに120°の角度で交わる石鹸膜の交線は

  arccos(−1/3)=109.471°

で接触します.正四面体の頂点から中心に向かう3枚の膜は互いに120°の角度をなし,中心に集まる4本の線は109.471°(マラルディの角)をなすのです.

 120°と109.471°は石鹸膜が接触するときの基本的な角度ですが,ここで泡が内角109.471°の正多角形からなる正多面体とみなせば,面は

 p~=360/109.471=5.104

角形となります.

 また,3v=pf,2e=pfを,オイラーの多面体定理に代入すると

  f=13.39,v=22.78,e=34.18

すなわち,泡の平均の姿は22.78個の頂点,34.18本の辺,13.39枚の面からなる面が5.104角形の立体となることがわかります.平均的な泡細胞は正12面体にやや似たものになるというわけです.

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